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2021/4/21

地震報道から「東日本大震災の余震と考えられる」の文言が消える「舞台裏」

Ray of light

こんにちは。株式会社Rayoflightの木村です。

先日、「今後は『東日本大震災の余震』というのを取りやめると気象庁が発表」という記事をご紹介しましたが、またそれについての詳しい記事を見つけましたので、ご紹介します。
地震って本当にまだまだわからないことだらけだなと改めて思います。

判断が難しくなってきた

東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)から10年が経過した。被災地の復興は道半ばだが、気象庁による地震調査では東日本大震災は“区切り”を迎えたようだ。

気象庁は4月1日、「東北地方太平洋沖地震の余震域で発生する規模の大きな地震の報道発表資料での表現の変更について」で、余震域内で発生した震度5弱以上の地震について、「東北地方太平洋沖地震の余震」との表現を取り止めると発表した。

その理由について気象庁では、「余震活動は時間の経過とともに減衰しますが、長く続くものであり、東北地方太平洋沖地震の余震活動が終わったわけではない」としながらも、「余震か否か明確に判断するのは難しくなってきた」としている。


実際に気象庁では、3月20日18時9分に宮城県沖で発生したマグニチュード6.9の地震を最後に、「今回の地震は2011年東北地方太平洋沖地震の余震と考えられます」という記述を取り止めた。東北地方太平洋沖地震についての報道発表は、実に92報に及んだ。


しかし、この判断には伏線がある。

「本震」が「前震」となった熊本地震


そもそも、「余震」とはどのようなものなのか。気象庁によると、「大きな地震の発生後に引き続いて発生する、最初に発生した大きな地震よりも小さな地震」と定義している。


ただし、「場合によっては、最初の地震よりもさらに大きな地震が発生することもあり、その場合はそれが本震となり、それ以前に発生していた地震は前震と呼ばれることもある」としている。


震災関連死を含む276人が犠牲になった熊本地震は、4月14日に発生から5年を迎えた。実は、この熊本地震は観測史上初めて最大震度7の激震に2度襲われたが、2度目となる余震の方が大きかった。

2016年4月14日の地震はマグニチュード6.5だったが、余震とされた4月16日に発生した地震はマグニチュード7.3で、現在では16日に発生した地震が本震とされている。


つまり、気象庁の余震の定義である「大きな地震の発生後に引き続いて発生する、最初に発生した大きな地震よりも小さな地震」が当てはまらなかった。


そこで気象庁は地震調査委員会で「大地震後の地震活動の見通しに関する情報のあり方」についての検討を行い、2016年8月19日に報告書をまとめた。


この中で、余震という言葉を用いたことにより、「より大きな地震、あるいは、より強い揺れは発生しないというイメージを情報の受け手に与え、安心情報であると受け取られた可能性がある」という指摘がなされた。


この結果、「余震」という言葉は、最初の地震よりも規模の大きな地震は発生しないという印象を与えることから、今後は「地震」という言葉を用いることとし、マグニチュードよりも「震度」を用いることとなった。

これからの地震報道


さらに、「震源の位置によっては、最初に発生した大地震と同程度か、それよりも揺れが大きくなる場所もあることを適宜付加すること」が決められた。


例えば、大地震の発生後には、「余震が続く可能性がある」という表現の情報提示ではなく、「最初の大地震と同程度の地震が発生する可能性がある」という表現を用いて注意を呼び掛けることとした。


前述したように、「余震」という表現を用いないとの報告書が出されたのは、2016年8月19日だ。しかし、その後もマスコミはもとより、気象庁自身も「余震」という言葉を使い続けてきた。


だが、東日本大震災から10年を迎え、ついに、気象庁は「余震」という言葉を用いないことを“正式に発表”し、東北地方太平洋沖地震の余震域内で発生した震度5弱以上の地震について、「余震」と表現することを止めた。


奇しくも、東日本大震災で水素爆発事故を起こした東京電力福島第1原子力発電所の処理済み汚染水の海洋放出が急浮上し、4月13日に政府は処理済み汚染水の海洋放出を閣議決定した。


10年という歳月は、東日本大震災の被災者とは別のところで、震災の跡を徐々に消し去るためのきっかけとなっているようだ。そして、今後もこうした動きが続いていくことになるのだろう。


ゲンダイより引用 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/82340?page=2

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